砂抜き

国内のしじみの産地

遺跡のそばより出土する貝塚からもわかるように、日本では古来から貝類を食卓に上げてきました。
中でも、河口付近や湖といった場所で獲れるしじみは、安定したタンパク源としてさかんに利用されてきました。
そんな親しみのある食材「しじみ」の有名な産地を見てみましょう。

日本国内にて出回っているシジミの中では、「ヤマトシジミ」という種類が一般的です。
このしじみは日本全域の汽水域(河口など、海水と淡水が混じり合うエリア)で摂れるのですが、有名な産地としては北海道では網走湖やパンケ沼、青森県では十三湖や小川原湖などがあります。
その他にも、宮城県にある北上川や茨城県の利根川、新潟県の阿賀野川、長野県の諏訪湖、愛知県の木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)、豊川、島根県の宍道湖などにも生息します。

次に、こうした産地がどのくらい昔からあったのかを知るために、有名な貝塚の出土した土地のリストとくらべてみましょう。
貝塚とは私たちの祖先が食用として用いた貝の殻や、壊れた石器や土器、動物の骨などを捨てた場所で、遺跡のそばから見つかっています。
北海道にはオホーツク文化の代表的遺跡であるモヨロ貝塚があり、このエリアは網走川に沿っています。
青森県の小川原湖周辺には、二ツ森貝塚・中志貝塚など、多数の貝塚や遺跡が見つかっています。
宮城県の沼津貝塚は北上川の下流域に、茨城県の涸沼川流域には大串貝塚(水戸市)などがあり、新潟県阿賀野川には貝塚(現在は亀田町)という地名の付いた土地もありました。
愛知県の豊川水域には平井稲荷山貝塚などがあり、いずれからもしじみの殻が出土していることから、私たちの祖先が縄文時代以前からしじみを食料として利用していたことがわかります。

それでは近年におけるしじみの漁獲量が日本一のエリアはどこでしょう? 
それは島根県の宍道湖(松江市、出雲市)です。
1991年から2010年までの約二十年間にわたって漁獲量のトップを維持してきたエリアですが、2011年に青森県の十三湖エリアに破れた後、四年ぶりの2015年に再びトップに返り咲きました。
しかしトップとは言えど、その漁獲量は最盛期の二万トンにはくらべるべくもなく、3448トンにとどまっています。"

いかがでしたか? 
有名な産地の近くから貝塚が数多く出土していることからも、この国の人々は太古の昔からしじみを食料として活用してきたことがおわかりになると思います。
そんな昔の時代から変わらない食材を、変わらないエリアから授かってきたこの国の食文化を思うと、感慨深いですね。