しじみの育つ環境

北海道から九州まで日本全国でしじみは獲られ、日本人の食卓を彩っています。
しかし、近年は国産のしじみの漁獲量が減少し、輸入量が増えています。
しじみはどのような環境であれば育つのでしょうか。

生息域

しじみは、川が流れ込む湖沼や海の河口付近の汽水域に生息してます。
川の淡水が流れ込み、塩水と混じり合う、他の生物にとっては住みにくい場所です。
水深0.5~4mほどの水底の土壌で生活しています。
水温の高い夏は土壌の表面まで出てきて活発に動き、7~9月は産卵期で繁殖の最盛期となります。
水温の低い冬は土壌の深くまで潜り、じっとしています。

水質

汽水域は他の生物が棲むことができない場所ですが、それは、淡水と塩水が混じり合うところだということにあります。
また、この場所でなければ、しじみが生きることができないのです。

塩分濃度

しじみは汽水性の生物で、塩分濃度約0.3~1.0%ほどのところを好みます。
河川の水のように塩分濃度ゼロの淡水や塩分濃度約3.3%以上の海水域では生きることができません。
しじみの繁殖期の授精に適した塩分濃度も約0.5%といわれます。

汽水域は、潮の満ち引きによって塩分濃度が変わりますが、短時間であれば、淡水の中でも海水の中でも耐えることができます。
塩分濃度の変化による浸透圧の変化に対して、体内のグリコーゲンを分解してエキス量を調整することにより適応しています。

酸素濃度

しじみの酸素に対する耐性も強く、水槽での実験結果ですが、溶存酸素濃度が1.5ppm以上であれば生息できます。
1.5ppmは、0.00015%ですから、非常に低い酸素濃度です。

土質

生息地の土壌は泥含有量90%以下の土質です。
泥は、礫や砂よりも粒子が細かく、1/16mm以下のものを言います。
泥ばかりでは、しじみの活動の妨げとなり、生きていくことはできません。
しじみは、塩分濃度の急激な変化から身を守るために、土中深く潜る行動が確認されています。
泥ばかりの水底では固すぎて潜ることができません。
また、水温が下がった時にも潜ることができません。

しじみは環境への耐性は強いものですが、水質汚染や環境破壊、コンクリートの護岸工事など生育環境が奪われています。
できるだけ自然環境を残し、しじみの生息域を広げたいものです。
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