「土用しじみ」と「寒しじみ」とは

しじみの旬を表す言葉に「土用しじみ」と「寒しじみ」があります。
一年中食べられるしじみですから、このような呼び方があることが不思議です。
何か違いがあるのでしょうか。

「土用しじみ」と「寒しじみ」の種類は同じ?

しじみは年中食べられることから「四時美」という字が当てられることもありました。
「土用しじみ」と「寒しじみ」は、夏の土用においしいのがヤマトシジミ、寒においしいのがマシジミという貝の種類が違うと説もありますが、根拠が不明です。
現在流通するしじみは99%以上がヤマトシジミになってしまっていますので、種類の違いからくるものではありません。
しじみがおいしく、人に優れた栄養を供給してくれる時期ということです。

「土用しじみ」とは

しじみの繁殖が盛んになるのは、暖かくなる4月頃から10月頃までです。
気温が上がることで水温も上がり、しじみは水底の表層近くに上がってきます。
日差しも強くなり、しじみの餌となる植物プランクトンも増えますので、7~9月頃はしじみの成長が盛んになります。
その成長の最も盛んな時期が土用の時期になります。
「土用しじみは腹薬」といわれるように、夏の暑さでバテた身体に、栄養たっぷりのしじみを食べることで、肝機能を高め、疲労を回復してくれました。
土用丑の日にはウナギを食べるという習慣が一般的になったのは幕末頃といわれていますので、江戸時代初期には深川辺りをしじみ売りが行商していたということですから、しじみは庶民の夏の重要なスタミナ源になっていたということです。

「寒しじみ」とは

1~2月頃の寒い時期に食べるしじみを「寒しじみ」といいます。
水温が下がると、しじみは砂や泥の下に潜り込み、ほとんど動くことなく冬を越します。
この時期のしじみは、冬を越すための栄養を蓄え太り、身も引き締まっています。
気温が低下すると、寒さに耐えようとすることからコハク酸などの旨味成分が増し、おいしさが増します。
そのため、味や栄養価は土用しじみよりも高いともいわれています。

「土用しじみ」と「寒しじみ」は古人の厳しい季節を元気に乗り切る知恵です。
それぞれの季節でしじみの味わいも違いますので、おいしくなる工夫をしていただきましょう。
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